㐧四話
ビニイル袋の擦れる音と
私の足音だけがそこには在った。
誰も知らないこんな街で
知らない感情をさがしてる。
そこで日常の音は突然途切れ、
音が聞こえない。
足音がしている筈なのに。
聞こえるものだと思っているから不安になるのだ。
私は歩きつづける。
ときどきなんだか思うことがある、
自分は間違っているのではないか、と。
随分経って後、音は、突如として復活する。
というより、音はそもそも其処に在ったのだ。
誰もが知らなかっただけ。
誰にも聞こえない音。
誰にも聞かせない感情。
秘密の感情。
歩くはやさを追い越した月が私の目に入る。
熱っぽい肌には夜風が心地よかった。
毎日、死にたいんです。